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監査法人の繁忙期を乗り越えて感じた「監査論」の大切さ

公認会計士
受験生時代の私
受験生時代の私

監査論は正直曖昧な知識しかないな。でも受験生全体的に監査論はレベルが低いって聞くし、超最低限やっておけばいいか。監査論はコスパ悪いし、そんなに時間あてられないよ。

受験生時代の監査論に対する考え方はこうでした。監査論は苦手でしたから。

私のイメージですが、監査論が得意!って人はずば抜けて得意な人で、全体の一割もいないと思います。

監査論は流れさえつかめれば成績が爆上がりしてしかも安定する。と言いますが、そんなの無理でしょと私は思ってました。

そんな私も監査法人での繁忙期を終えて思ったことがあります。

繁忙期を<br>終えた私
繁忙期を
終えた私

監査って、当然に監査論が大事だな。公認会計士として監査法人で働いていく以上は監査論が大事やったんや!!!やばい!!!

です。やばいんです。監査論が苦手な公認会計士っておかしな存在なんです。

監査法人にいる以上は、このままでは自己矛盾の存在になってしまいます。

監査法人の繁忙期を乗り越えて感じた「監査論」の大事さ

まず、なぜ今さらになって監査論の大切さを知ったのか。監査法人入所から繁忙期を乗り越えるまで、余すことなく書いていきます。ちなみに、改めて考えれば当然のことばかりなんです。

少し長くなるので気になるところだけ読んでいただけると嬉しいです。

監査法人での研修が始まる前に思ったこと

監査法人に入ると研修が1か月くらいあります。

そのときはだいたい、「周りみんな公認会計士試験の合格者とかやば!」と合格の余韻にいつまでも浸りたい気持ちと、「実務のこと何も知らないから大丈夫かなぁ」というぼんやりとした不安、あとは「会計の基本はだいたいわかるから何とかなってくれ!」というちょっとした楽観。

この三つの気持ちが入り混じってました。

しかし今思えば大きな勘違いがあったのです。

それは、

・実務(監査)のことを知らなくて大丈夫なわけがない。

・公認会計士試験での会計の知識では(監査の観点では)不十分。

・監査の理解なくして、監査の観点での会計の知識は培われない。
 つまり実務では監査の知識≧≧≧会計の知識

この三点です。

今思えば当然と言えば当然ですが、この勘違いについて働くうちに気がついて行きます。

研修は監査のことばかり

研修では監査のことばかりをやります。

これも、当然ですね。「監査」法人なので。

研修では独立性から始まり、監査手続きの流れなどをききます。

私はここで一つ悟りました。

私

監査が分からずに大丈夫なわけないぞ。やばい。研修すらも全然わからない!!

ここは、監査法人。監査が分からなければ仕事になりません。話になりません。

野球を知らない野球選手なんていないもんなぁ。

そして、後悔します。

私

受験生時代から監査論をちゃんと勉強しとけばよかった。

過去の自分のせいにします。二年間も勉強していたわけですから、監査論もしっかりやろうと思えばできました。

私は受験のための監査論の勉強しかしていなかったので、暗記ばっかりでした。

とはいえ後悔しても仕方がないので、今から勉強するかぁと思い始めまています。

J1スタッフは期末の実証手続から始まる。

悪夢です。

何が悪夢かって、監査よくわからないのに、最初にやる業務が監査のメインだからです。

スタッフは監査リスクの低い勘定が割当てられますが、およそ同じ質を求められます。監査の失敗は出来ないからです。

そして私が実際に監査をする中でこう思いました。

私

会計については知っていたつもりだったけど、各勘定科目には具体的にどんな項目が集計されているかなんて知らなかった。勘定科目に対する理解が全然足りない!!!

そうです。簿記などで習う会計は、会計処理の面では網羅的です。それでもって高度な論点もあります。

でも違いました。現場で求められているのは勘定科目の内訳や勘定科目間の関係でした。

実証手続で行う、勘定科目の増減分析は、勘定をより深く分解して捉えたり、科目間の関係に注意する必要がありました。

手続きの意味がよくわからない

私は監査をする中で、前期の監査調書を参考にして、それを更新していくような形で業務を行っていました。

私としては精いっぱいのことです。

それでも、主査からの審査で「この手続きは何のためにやってるかわかる?」と言われると何も分かりませんでした

この勘定はこういうリスクがあるから、この手続きに従ってこういうことを立証していく。

ここまで考えないといけません。そして私は思いました。

私

実務では、監査の理解があっての会計。監査論的視点で会計が眺められないといけないな。

その勘定にどんなリスクがあり、そのためにどんな手続きを立案して、どんなアサーションをどんな手続きで立証するのか。

そういった観点で会計数値を眺めないといけなかったのです。

まさに監査論そのものですよね。

これから監査論をどう学んでいくか

今の私は正直監査の知識が不十分です。

でも、監査法人にいる以上は監査を学んでいかないといけません。

どうやって学んでいくか。

私は二つ考えました。

一つは、業務をより自覚的に行うこと。
もう一つは、専門書を読むこと。

です。

監査業務をより自覚的に行う

結局のところ、実務の中で理解を深めるのが一番の近道です。

とはいえ、ただ受け身になって業務を作業として行っても成長できません。

一つ一つの手続きを、なぜやるのか?何が立証できるのか?という観点を常に持って臨むことが大事だと思います。

専門書を読む

そして業務をより自覚的に行うために、事前に知識を入れることもセットで大事だと思います。

監査実務に関する実務書を読むことで、知識の補強もしていきます。

受験生のときにやっておけば良かったこと

私が受験生のころにやっておきたかったことは、やはり監査論の「理解」です。

暗記に頼る勉強ではなく、理解する。

そのためにはまずは講義をしっかり聞く。監査論は私は流し聞きしちゃってました。

そしてテキストを読み込む。これは入門期にやるべきでした。直前期には正直時間をかけられませんでしたので。

そして一番は、監査論を好きになろうとする。

監査法人に入れば、その業務は監査です。得意苦手関係なく監査します。

あとから勉強するにしても嫌いだとどうしようもありません。

私は苦手意識が強かったので、今でも勉強が少し億劫です。

なんとか頑張っていきたいと思います。最後までありがとうございました。

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